(HPに戻る)                                  


書下ろし物語サイト 

 主宰 渡来部 
須万男

ツンブクツ 目次 あらすじ

本文(PDF)リンク
 ツンブクツ 1   
 ツンブクツ 2   
 ツンブクツ 3

目次

序 ある事故          
一 仔羊のロティとカオール      
二 アキコサイクリスト        
三 焼けぼっくいは拾わない、        
四 黒バラの花束           
五 プロバンスの山と川       

主な登場人物

島田明子(=アキコ)ジーンテックの人事部に勤務。インターン研修生の樋田翔と知り合う。二十七歳。
樋田翔 インターン研修を受ける二十二歳。
木暮サキ 翔のイトコに当たるが、血縁ではない。エクザンプロバンスに留学を目指す。十九歳
松木義一 人事コンサルタント、ジーンテック社人事業務の下請け。四十五歳。
木暮源治 樋田翔の伯父、北関東の農村多々良百津出身。電照菊の相場で当てて花木店の開店資金を手にした。サキは養女
木暮民子 源治の妻。
樋田奈津子 源治の妹、樋田翔の母。翔を身ごもるが相手「ヨッチャン」とは別れる。翔を連れて樋田誠二と結婚した。

あらすじ(一,二,三部)

田誠二奈津子夫婦は北関東サノウで美容店を営む、旅行中に交通事故に巻き込まれ死亡した。息を引き取る直前に奈津子は「マツヨ」の一言遺した。息子の翔への言い伝えで、彼の実父の姓名(一部)であった。翔はその時高校一年、残る三年を一人サノウで過ごし、多摩の大学に入学を果たした。  (ある事故)
翔の伯父木暮源治は多摩の小さな街、北山台で花店と貸しマンションを経営する。丘陵地区の自宅とも合わせれば「小さな資産家」と言える。彼の成功は菊相場と土地バルブ、二度の大ばくちに勝ち逃げしたからである。
自宅に翔を呼んで仔羊の炙り焼きをメインにした夕餉を催す。カオール(ワイン種類)バドワ(発泡水)エベック橋(チーズ)など、多摩丘陵に住む小金持ちのディレッタント振りが語られる。デザートのラムシャーベットをつつきながら、源治はサキ=養女が「フランスに留学すると」翔に伝える。   (仔羊のロティ…)

翔は就職活動の最中、ジーンテック社を知りインターン研修に受け入れられる。採用主任の島田明子(アキコ)の補佐として二週間配属される。アキコ二十七歳、翔は二十二歳。二十歳代五歳の逆差は最悪の出会いで必ず哀しい結果をもたらす。
翔と松木は会議で出会うが、心の内では親子と気付くが、それを互いに否定する。父と子を認め合ってももはや仕方ないのだ。
アキコは人生の替わり目のきっかけを探しているのだが、それが「転び」となるのを怖れ「空を飛ぶ」を目指す。自転車通勤の帰り道で空に飛び上がるまでを経験したが、結局土手に転がっただけだった。その夜、アキコ寝室にホトトギスが「殿方」と共に忍び込んだ。夢にすぎないが、うなされるまでアキコは責められた。夢の侵入者が翔か松木(コンサルタント)か、朝起きて覚えはなかった。   (アキコサイクリスト)

アキコは週末と翌週にかけて二度のきっかけを経験する。翔に呼び出されサキとのつき合いに助言を求められる。アキコは「絶対に駄目」と年上らしくない断定で決めつける。反省しながら共に歩くバイパスの橋、見下ろす多摩川を海の港と翔が誤り見て、引き留めるためにアキコを抱きしめ接吻まで進んだ。松木事務所で会議をもち終わったのが六時を回った。二人しかのこらない事務所、松木に抱きすくめられた。勃起した男根を松木はアキコの尻に押しつけた。押しつけられてアキコは「突発に抱いたのでない、愛しているから」と嬉しかった。
土曜日、松木から夕食に誘われる。アキコは出張中の翔に「すぐ帰ってきて」とメールを入れる。二人から求愛されるアキコはどちらかを最後まで選ばない。松木の新居のソファで腕に抱かれるが、その時ホトトギスの一啼きを聞いて、翔に会いたい「必ず戻るから」と抜け出す。

バイパスの喫茶店で待つアキコは不良達に絡まれ、拉致されるが危うく翔に助けられる。二人はバイパスを流しながらホトトギスの誘いに耳立てる。誘われて入った先が自然公園の鳥見小屋。闇の中、アキコはスカートを一寸二寸とたくし上げて、翔を誘惑する。愛が成就したアキコが見たのは多摩の夜景でない、ツンブクツ(マリ砂漠の廃都)の夜景だった。愛の結末で空
を飛んだが、着地したのは荒廃の砂漠だった。(焼けぼっくい、黒バラ)

松木宅に戻り彼にも抱かれる。松木の陰茎の熱さと太さが翔のそれと同じなので二人が親子と知る。「親子以上で翔は松木の幻影」一晩に二人の男に抱かれたのでない「一人に二度抱かれた」。それがアキコの救いとなった。
翔は未明にサキを訪ねる。胸につけた黒バラでアキコに会ったと知る。涙流して見つめる夜景が突然朝の景色にかわった。目の前にオオタケ、ミトウがそびえた。翔も立ち上がり肩を並べ多摩の山々をみた。「サントビクトワールには」とサキが呟く。プロバンスの山に二人の愛をみせる決意だった。

PageTopに戻る

部族民通信ツンブクツ1