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当HP(部族民通信)にご訪問の方に挨拶

2009年秋から部族民通信ホームページ http://www.tribesman.asia/ (左コラムのHPをクリックで移動)にてオリジナル作品を発表してきました。「イザナギイザナミたわけの果て」「冷たい宇宙」「イザベラは空を飛んだ」「氷の接吻」と書きましたが、これらは習作の4部と私自身で位置づけています。サイバー読者様に御拝読を預かるほどには至らないとして、HPページから外しました。 本年(2012年)13日から新たに「アキコ物語=執筆開始時の仮名」を書き始めました。前習作のテーマは「霊魂、生まれ変わり」でしたが、今回はズバリ「愛」を取り上げました。8月に校了する予定でしたがやはり暑さで遅れ、10月にずれ込みました。題名を「ツンブクツ」にしました。

この忘れられた市の名をご存じの方も多いかと思います。サハラのほぼ中央、砂漠の支配族「トワレグ」が侵略と交易で営々と築いた城塞の市です。21世紀の今、歴史の舞台から去り、栄華を誇った城壁も楼閣も砂と風の打擲に抗えず、崩落し埋もれる惨め様を露呈しています。

久遠の千年の聖都。コーラン朗詠が響き渡る市街、気だるい女奴隷の溜息はハーレムの壁から漏れる。王宮の前庭、気せわしい宦官の行き来、砂漠に向かうラクダのひずめ音。若姫を露台に侍らせ、夜空に広がる月蝕を怖れる聖王子。トワレグ族の愛欲と信仰の千年の記憶は、砂丘に隠された城塞がれきに埋もれるのみです。

 性の快楽にアキコが見たのは廃墟のツンブクツでした。夜の砂丘に舞い立ち、砂漠に一人残された己の裸身に気づいた。見渡して前に、振り向いた背後にも何もなかった。月明かりの砂漠には、砂丘の重なりが茫洋と浪をうつだけ。人の影も交易の隊列も、人工物も一筋の灯りも、四方に何もない。溺れまいと快楽にあがくアキコに見えたのは虚無の地平だった。

女、27歳。見渡す地平の虚無が、愛の落とし穴を暗示している。原稿用紙換算で350枚、1023日にHP出稿開始。毎回30枚程度の出稿し、年内には完了します。

GooBlogに小品を残しております。それらも加筆して短編としてHP に上梓する予定です。これからも部族民通信の活動ご期待の上、よろしくご訪問お願いします。

(渡来部、20121020日)

オリジナル物語サイト部族民通信